大学と現代社会

第1回

2007年9月20日

授業ガイダンス

授業日程:  9/20 ,9/27, 10/4, 10/11, 10/18, 10/25, 11/8, 11/15, 11/22, 11/29, 12/6, 12/13, 12/20, 1/10 (計14回)

テキスト: 立花隆著『東大生はバカになったか』(文藝春秋 2001年)

参考書: 立教大学編『立教大学の歴史』『立教の創設者 C.M. ウィリアムズの生涯』

その他、成績評価や授業に関する諸注意

リベラルアーツと大学の歴史

 リベラルアーツとは、教養を身につけていくこと。

 今、大学では“リベラルアーツ”を掲げているところが多い。
立教大学は、全学部共通カリキュラムを通して“リベラルアーツ”を実現しようとしていて、その程度は非常に高いものである。

 この授業では、その“リベラルアーツ”を体現していく。

大学の興り

 西欧では、学問とは神を学ぶことであり、音楽、哲学、史学などを学ぶことがそれであった。そのため、西欧で“一流”と称されるような大学には、必ず神学が設けられており、神学があるかどうかということが重要な要素の一部である。

 一方で日本では、江戸時代の官学である昌平坂学問所や開成所をもとに、明治政府が東京大学を造った。しかし、これは西欧とは異なり、神を学ぶのではなく、官僚や役人を養成することを目的に造られたもである。ここに西欧と日本の大学の興りの大きな違いがある。

 では、私たちが在籍する立教大学はどうであるのか。その答えは、立教大学は、キリスト教団体(アメリカ聖公会)の基で出来た大学である、つまり西欧のスタイルに近い大学だということだ。

 立教大学は、当初築地に造られ、生徒は80人であった。現在も築地にある聖路加国際病院とは同じアメリカ聖公会の出資であるので、これまで何度も総合大学になるべく統合の話があったという。その後、専門学校から大学としての脱皮のために、校地の拡大を図って池袋に新たに居を構えた。

 立教大学は、現在も文学部内にキリスト教学科を配置しているように、神学にも力を入れている。だからこそ、“リベラルアーツ”にも熱心に取り組んでいるのだ。

ユビキタス時代のメディアの使い方〜安倍首相の辞任を事例にして〜

 現在、大学のレポートなどを書く際にWikipediaによる引用を認めていない教授がいるというが、Wikipediaを完全に否定するのはどうなのだろうか。現在は紛れもなくユビキタス時代である。

 情報は、常に世に溢れ返っている。Wikipediaは、ダメなのではなく、どう使うかで価値が数段違うのだ。

 このユビキタス時代は、情報の応報合戦である。世界中の情報が、一定の場所にいるだけで、タイムリーに伝わってくる。

 それを端的に示した事件が起きた……それが安倍首相の突然の辞任劇だったのである。

 突然の辞任……これを引き起こしたのは、週刊現代がスッパ抜いた安倍晋三前首相の脱税疑惑である。安倍前首相は、父晋太郎氏(故人)が用意していた総裁選への軍資金を相続したはずだったが、その分の相続税を支払っていないというものだった。実はこの記事、提供元は晋三前首相が自分が政治基盤に乗った時に首を斬った、故・晋太郎氏の金庫番だった。なぜ情報の提供元が分かったかというと、情報というものは、データベースを見ればすぐに分かってしまうものだからだ。
 週刊現代はこの記事の骨子を質問状として安倍前首相に送った。この締め切りが午後7時であったが、結局「政治とカネ」の問題を自らも抱えたまま国会運営をすることに限界を感じた前首相は、その日に辞任を宣言したのだ。

 そして、ここから情報合戦が始まるのだ。安倍事務所は、早々に「今から出る週刊現代の記事は事実無根である」と各方面に流して先制攻撃を打った。このため、現代は雑誌を発売するか、取りやめるかの瀬戸際まで追いやられたのである。マスコミは、いまいちはっきりしない辞任の理由に戸惑っていた。そしてこの間、闇の情報操作をめぐる激しい攻防があったのだ。
 ここで、ことの経緯をきちんと人々に示したのが、

 立花教授の日経BP「メディア・ソシオ・ポリティクス
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/index.html

 であった。これにより、メディアを主として、多くの人々が辞任の本当の理由を知ったのだ。そのためか、このときのページアクセス数が例年比を大きく上回った。
 つまり、今の時代は、インターネットの影響を無視できないのだ。

講義を受けて

 今日は、授業の諸注意などがあったため、本題は、あまり多くありませんでしたが、実例を掲げながらの説明はとても面白かったです。 これがあの立花隆か!!と感動しました。
 これからも、がんばっていきたいと思います。(政治学科1年)