大学と現代社会

第5回

2007年10月18日

ユービキタス大学の時代

 今回の課題は、印刷博物館に行って、その感想をA4用紙一枚程度にまとめるというものであった。
 では、なぜこの「大学と現代社会」という授業でこのような課題を出したのか?

 今の時代、大学というのはどこにでもある。キャンパス内で受ける講義だけが自分の教養を高めてくれるものではない。
 大学外部の要素も、自分自身の教養を高めてくれる。

 そして、ミュージアム(博物館だけではなく、美術館なども含まれる)が、その一番大きい要素の一つである。

だから、ミュージアムに行くことは、自分の教養を高めるためにとても大切なことである。

文章を書くということ

 私たちは、「何か指示されたら、それに対して”適切な”文章を書く」という能力を身につけなくてはいけない。

 では、”適切な文章”とはどういうものだろうか??
<条件>

  1. 適切な分量であること……多すぎても少なすぎてもいけない。
  2. 句読点の位置が正しい
  3. 表現の仕方が適切である……同じ意味のことを、もっとわかりやすい違う表現で言い換えることができないのか
  4. 誤字脱字がない


 以上のことを確認するために、一度プリントアウトして、紙に印刷された状態でもう一回見直すこことが大切!
 そうすると、客観的に自分の文章を見ることができる。これを何度も何度も繰り返す。

 また、文章を書かせる側は、なぜ文章を書かせるのか??
 →書いたもの(その人が書いた文章)を通して、人物判断をしたいから。
 ということは、自分の個性が出るような文章にしなくてはいけない。優等生的なものではダメなのである。

これからの書籍の未来

 これから書物はどんどん電子化されるのではないか。
 例えば、VR(バーチャル・リアリティー)や、電子ブック(今、ほとんどの学生が電子辞書としてすでに持っている)。
 MITのジェイ・コブスン教授 ”The Last Book”

 日本でも、松下電器の「シグマブック」とソニーの「リブリエ」が発売されているが、そんなに流行っていない。
 なぜなら、機能がそろっていないから。(画面が見にくいなど)

 しかし、ソニーが今年、有機ELディスプレイを発売。ハイビジョンの高画質で、画面も見やすく、” The  Last Book”ももはや目前、と言われている。

 そんな中、古い本の電子化、特に英語の書物の電子化が、急速に進んでいる。
 本というのは権利関係(著作権)が問題となる。
 著者の死後50年間著作権が残るため、著作物をその著作権者が独占的に支配して利益を受ける権利がある。
 だから、著作権が切れていない本を電子化して、みんなで共有(common)するためには、著作権の放棄が必要となる。
 この放棄が、今、欧米を中心にとても盛んである。
 また、著作権がすでにない欧米の映画や、シェイクスピアなどのクラシックな作品も電子化が急速に進んでいる。


 日本では、読売新聞が10年ほどかけて、明治時代からの新聞をデータベース化した。
 例えば、「バラバラ殺人」と検索すると、あらゆるバラバラ殺人の記事を見ることができるようになった。
 これにより、研究の効率は今までとは比べ物にならないほど上がった。(朝日新聞も今年からデータベース化を開始)

さまざまな印刷物

●『ケルズの書』(アイルランド・ダブリン大学の図書館所蔵)
世界で一番豪華な本として有名。★
 しみなどもきちんと残した見事な復刻版が完成。お値段なんと日本円で220万円!!

●『DTP&印刷 スーパーしくみ事典 (2007年度版)』
あらゆるプリンターがどのような仕組みになっているかなどを詳しく解説。★

大手印刷会社の今

 今みてきたように、本の電子化が進むなか、凸版印刷や大日本印刷などの大手印刷会社の業務は何を中心としているのか?

 本を作ったり、牛乳などのパッケージ印刷をしたりというのは、業務のほんの一部。
 今、一番のメインは、”フォトマスク”をつくること。フォトマスクを作るためには、高度な技術が必要。
 詳しくは、凸版印刷のホームページを参照
http://www.toppan.co.jp/

 また、凸版印刷のVR(バーチャル・リアリティー)技術は世界屈指である。
 巨大なものも、小さいもの(ナノメーター単位のもの)も、肉眼ではみることができないが、VRでは見ることができる。

(例)


 1996年にVR学会が発足。
 最近では、飛行機のパイロットの訓練や、宇宙飛行士の訓練などにもVRは利用されている。
 また、人口感触器というものもすでにあり、そのうち臭いのVRもできるのではないのかと言われている。

<目と脳>

「人工現実感」  ★
”テレイグジスタンス”(テレ=遠い、イグジスタンス=存在)ができるのではないか。
  →目に入るすべての光がロボットに入るようにすれば、実現できるはずである。

 VRで人間の認識能力がわかる。
”リアルワールド”と人間の認識世界の関係がわかる。
 →目の前にあるものというのは、実は一部分ズレがある。
    そのズレというのが目の「盲点」。
 盲点……光が落ちないところ。よって、本来は見えない部分があるはず。しかし、脳が塗りつぶしているから、全部見えるのである。

脳が塗りつぶす=その部分はウソ!

ということは、人間にはイリュージョンをみる能力もある!


『男の子の脳、女の子の脳』★


『話を聞かない男、地図が読めない女』★


『共感する女脳、システム化する男脳』★



 時間切れとなってしまったので、詳しくは次回の授業で。

<感想>

 私は実際にシスティーナ礼拝堂を見たことがあるので、VRではどのように見えるのか見てみたいと思いました。現実では不可能なことを可能にしてしまうVRの技術に感動しました。
 目の盲点の話にも驚きました。「百聞は一見にしかず」とは言い切れないようです。
 そして、男の脳と女の脳が違うという話に、非常に(今までの講義の中でも一番!!)興味を持ちました。
 男と女が分かり合えないのは脳のせいなのでしょうか!? 恋人の気持ちや行動を理解できないのは仕方ないことなのでしょうか!?
 気になります……
 次回の授業がとっても楽しみです。